まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.1(下)

まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.1(下)

「公務員=リスク」という、もやもやした不安への向き合い方を学びたい。

そのヒントを求め、城西大学の坂戸キャンパスへ。
鶴ヶ島市役所を同期トップで、部長職になられたにもかかわらず、早期退職された勝浦信幸さんを訪ねました。
まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.1(上)の続きです。

大学の教員は自由で楽しい!

ー 大学の教員の仕事はいかがですか?

自由で、やりたいことができます。
学生たちを盛り上げれば、一緒になんでもできます。
今年で5回目となる、「つるがしマルシェ」も学生たちのゼミ活動から始まりました。
若葉駅前は閑散としているのですが、そこでチャリティライブをやっていた方が辞められ、ますます寂しくなりました。
そこで、ゼミで何かやろうということになりました。学生たちは、地域の課題を探しに、駅前の店などにインタビューに行きました。
若葉駅近くのブラジルレストランの店主から、「電車も止まった雪の日に駅前でポツンとしていたおじいさんに、店に入って、身体を温めるように声をかけたところ、『外国人で怖い』と断られた。」という話を聞いてきました。
店主は、「おじいさんが悪いのではなく、私たちも国ごとに固まっていて、異なる国の外国人同士の交流もない。日本人も含めて交流したい。」という話をされていました。
それがきっかけで、若葉駅前で、インターナショナルのイベントとして、「つるがしマルシェ」を開催することになりました。

学生たちに伝えたい。チャレンジのおもしろさ。

ー 城西大学に非常勤として1年、教授となられて、今年で6年目とのことですが、これから、チャレンジしてみたいことはありますか。

学生たちは、「つるがしマルシェ」のイベントを通じて、この地域に暮らしている外国人がたくさんいらっしゃることを知りました。
全国的にも問題にもなっていますが、外国由来の子どもたちの日本語能力の問題があります。外国籍の子どもたちは、義務教育が保障されていません。
学校で学ぶ機会がない、彼ら、彼女らの将来はどうなるのか。
そこで、今後は外国籍の子どもたちが、日本語を学べる場を提供していきたいです。

それから、日本の若者のチャレンジを応援するため、ベトナムの大学生や企業との短期で頻繁な交流事業を考えています。
大学でも留学の機会はいろいろありますが、費用が高いため、参加できる学生が限られています。
そこで、もう少し安価に、そのような機会をつくり、学生たちをお互い行き来させる機会を作りたいです。

つかず、離れずの人脈を

ー 私たち、悩める「まんなか世代」へアドバイスをお願いします

将来に向けても、今にとっても、人脈って大事だと思います。
不幸にするのも、幸せにするのも結局は人。人は財産です。
振り返ってみると、「あの人を知っていたから、このタイミングでこれがあったろう。」ということがあります。
籠ってないで、人脈を広げると、チャンスは広がります。
それも、あまり深過ぎない、濃すぎない人脈を広く持つことがポイントです。
濃すぎるとそこだけに束縛されますから。つかず離れずの距離感が大事ですね。
それと、いろんな体験をしてみることですね。


宇宙(そら)の旅日記

勝浦さんは、いつも動じない。
建築指導の仕事をされていた時、マンション建設反対派の住民の方が自宅に押しかけてきた経験もさらりとお話しされる。
建築の規制の仕事も住民と業者の双方を調整する仕事だが、やりがいを感じていたとおっしゃる。
介護保険の立ち上げ時は、 国の研究会のメンバーとして、自治体の声を伝えたという経験を語る口調にも力みがない。
そして、目標に向かって、仕事の経験をコツコツと丁寧に論文として積みあげ続けたことが、今の勝浦さんに繋がっていると思う。

私は、仕事の肩書きである、「doの肩書き」ではなく、 「beの肩書き」に興味を持っている。

リンク(be の肩書きとは)
https://greenz.jp/2017/07/26/as-do_or_be

勝浦さんのbeの肩書きは、「弁護士」ではないだろうか。
実は、勝浦さんは、司法試験を夢半ばで諦め、市役所に就職されている。
その司法試験にチャレンジしていた経験から、入庁2年目にで、県庁に出向して法規の仕事をされた。
その後、市役所では、法務紛争の懸念がある部署に配属され、その役割をきちんとこなしてこられた。
勝浦さんのこれまでの道筋は、常に仕事に真摯に向き合われている。

それだけでなく、「人との縁が大切」だと、勝浦さんはおっしゃる。
青年会議所の方とは、 「つるがしマルシェ」にも、協賛してくださっているとのことである。市役所の看板ではなく、勝浦さん個人の信用の賜物にちがいない。
人との縁は偶然だが、 縁が繋がるか否かは、その人の熱量次第である。
勝浦さんは、一見、ダンディー&クールな印象である。
しかし、 胸に秘めた熱さと想いが周りへ伝わってきたからこそ、今の勝浦さんが築かれたにちがいない。


上木宇宙〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
平日は、パッとしない公務員。
土日は、「人生100年時代」の旅人。
元気な100歳、『百寿者』を目指しています。
まずは、健康第一。85歳までは、ほそぼそ働き続けたい。
定年後、私ができる仕事は?
人生100年時代、公務員の2大リスク「定年制」と「副業禁止」。
その壁は壊さずに、なんとかよじ登ってみたい。
登った先に、どんな景色が見えるのか?
私の知らない景色を見ている、憧れの人生のセンパイたちを訪ねます。
ブログ https://profile.ameba.jp/ameba/777cosmos
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