教えて!『無形資産』の築きかた VOL.6

高校や大学時代、世間はバンドブームでした。当時も今も、バンド事情にはまったく疎い私ですが、障害者メンバーとともに、バンド活動を楽し気にされている、東京都の丸山奏明さんに興味を惹かれました。

人生100年時代、貯蓄などの有形資産はもちろん、お金に換算できない、友人関係や知識、健康などの『無形資産』を今からコツコツと蓄えていきたい。そこで、『公務員』という生き方をしながら、『無形資産』を蓄えている東京都の丸山奏明さんにその秘訣をお聞きします。

 

丸山奏明さんプロフィール

大学のアカペラサークルで音楽に接し、卒業後もアカペラやバンドに参加している。
現在は2つのバンドと2つのアカペラグループに所属中。安室奈美恵マニア。ねぎが苦手。
都庁職員(2017年から公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に出向中。)。


 

-障害者メンバーの方との音楽活動のきっかけを教えてください。

大学生の時に音楽サークルに入ってから音楽活動を始めました。今は2つのバンドと2つのアカペラグループで活動をしています。一つ目のバンド活動は「心の唄バンド」という、7人編成のバンドで、聴覚障害者、高次脳機能障害者のメンバーがいます。このバンドがボーカル担当と手話唄担当の2名編成の時に、3人目のメンバーとして加入しました。手話唄のメンバーが聴覚障害者なので、障害者のメンバーとの音楽活動という意味ではこの加入がきっかけです。このバンドは、障害者、高齢者、児童などの福祉施設で演奏したり、障害者のみなさんと一緒に合唱したり、障害者を支援するイベントに参加しています。さらに、被災地支援や国際交流、過疎化対策などにも取り組んでいます。「ToyBox」という、4人組バンドはメンバーに障害者はいませんが、障害者のボーカリストを何度かゲストに迎えてライブをしています。このバンドも福祉施設や医療施設などでライブを行っています。

 

心の唄バンド

http://miracletv.site/?p=2745

 

-一緒に音楽活動をどのようにしているのですか。

「心の唄バンド」の聴覚障害のメンバーは「手話唄」という、手話での音楽表現を担当しています。彼女は少し耳が聞こえている時期があって、その頃から一緒に音楽活動をしていました。ボーカルの口の動きに合わせて、手話で音楽を表現しています。音源としては聞こえていないはずですが、波動は感じているみたいです。演奏していると、音への指摘があります。

 

-コミュニケーションをどのように取っているのですか。

手話を勉強して、手話で話をしているメンバーもいます。私は手話をしないので、口の動きが基本です。大人数で話をしていて、その方が話についていけない時は筆談でフォローすることもあります。1対1だと口の動きでコミュニケーションをとっています。

 

-なるほど。

障害者だから、ということは良くも悪くもあまり考えてなくて、あくまでもバンドメンバーと考えています。高次機能障害を持ったメンバーもいますが、特別に何かというのはあまりないんです。メンバーとの関係は、人格と能力という話なだけなので。障害者でなくても、コミュニケーションが取れない方もいますし。

 

-コロナ禍のバンド活動は苦労されているのでは。

「心の唄バンド」はこれまでやっていた曲を中心に、オンラインでライブをしています。9月にバンドメンバーが久しぶりにリアルで集まって、オンラインでライブ配信をしました。「ToyBox」や「キング&クイーンテット」というアカペラグループでもオンラインライブを実施するなど、できる方法を模索しながら活動しています。

 

-車いすユーザーのタレントの方の応援もしていますよね。

「BEYOND GIRLS」というYoutuberやモデルなどをしている、車いすガールズグループの福祉的な活動のサポートをしています。もともと私はカメラマンとして手伝っていました。彼女たちの活動の仕方が変わってきたことを受け、今では、企画とかプロデュース面でのサポートもしています。BEYONDとは、英語で「超える」、「向こう側」という意味です。障害者のイメーシを覆し、誰もが違いを超えて楽しむ社会を目指し、様々なことにチャレンジしています。

 

BEYOND GIRLS

https://beyond-girls.tokyo/

 

-活動のモチベーションを教えてください。

単純に好きなこと、面白いこと、やりたいことをやっているだけですね。楽しいことに誘ってもらったのでやっています。彼女たちが好きなだけなのかもしれません。何か特別な理由があるわけではないんです。イベントが単純に楽しいんだと思います。一緒に関わっていきたいメンバーです。障害者の支援やサポートをしたいという崇高な思いでしているわけではありません。よくも悪くも、障害者ということは意識せずに活動している感じです。自分の活動に「障害者」を強調することには違和感もあります。

 

-これからどんなことをしたいですか。

自分で立ち上げたバンドではなく、参加しているだけの立場なので、それほど褒められた話じゃ全然ないんです。4つの音楽グループとも、誘ってもらったことに感謝しています。楽しくやりつつ、自分のパフォーマンスを高めていきたいです。ベースパーカッションやボーカル、編曲ができるようになったり、動画も作れるようになりたいです。

 

-公務員のこの先への一言、お願いします。

公務員の仕事は、もっと企業と近くなっていくんじゃないかと思います。税金って、一番のサブスクだと思うんです。今よりももっと具体的にサブスクとしての効果を求められていくと思っています。それに行政が耐えられるようにならないとですよね。行政は、絶対間違わない、間違いを認めないというのも、変わっていくのかなという気がしています。

 

宇宙(そら)の無形資産帳簿

「良くも悪くも、障害を意識して付き合っていない」と繰り返し話がでました。障害ということに囚われず、すべての方の個性や違いをあたりまえのこととして受け入れ、人との関係を築かれているなぁと。

「自分で活動を立ち上げたわけではないし、好きなことをやっているだけ」と控えめな丸山さん。今後、編曲ができるようになったり、動画が作れるようになりたいとのことですが、仲間から必要とされている能力ではないかと思いました。さりげなく仲間をサポートしながら、周囲の期待や想いに応え続けてきた積み重ねが今の丸山さんに繋がっているのではないでしょうか。

 


〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
まんなか世代の公務員。
元気な100歳、『百寿者』を目指しています。
健康第一、85歳までは働き続けたい。
定年後、私ができる仕事はなんだろう?
人生100年時代、貯蓄などの有形資産はもちろん、お金に換算できない、友人関係や知識、健康などの『無形資産』を蓄えていきたい。
『公務員』という生き方をしながら、『無形資産』を蓄えている方にその秘訣をお聞きします。
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