みんなの総務部通信7号 中小企業のテレワーク導入コンサルティングと助成金

コロナ禍による外出自粛により、テレワークを導入した企業は数多くあります。

政府や各地方自治体も、新型コロナウィルスの拡大をなんとか防ごうと、テレワーク推進を後押ししようと、さまざまな助成金を用意しています。

 

テレワークに関する東京都での助成金の例

この記事は、埼玉県の方が多いと思いますが、私が東京都でテレワークのコンサルタントをしているということもあり、東京都の例でお話しします。

東京都では、テレワーク導入のために、以下の2つの助成金が用意されています。

①はじめテレワーク助成金 40万円 助成率10/10

②テレワーク 定着促進助成金 250万円 助成率2/3

③事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 250万円 助成率10/10

 

厚生労働省のテレワーク関係助成金

国が推進する助成金としては、厚生労働省が「働き方改革」のために用意している助成金が、今年度はテレワーク 推進と銘打って募集していましたが、すでに申し込もは終了しています。

①働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)上限300万円 助成率3/4

②働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)上限100万円 助成率1/2

 

埼玉県の助成金は如何に

埼玉県では、助成率2/3で上限20万円の「テレワーク導入支援補助金」制度があります。

アドバイザーの無料派遣制度もあるようですが、今年度はすでに申し込みは終了しているとのことです。

金額もアドバイザー制度も、やはり東京との充実度にはかないませんね。

 

助成金はパソコン購入のため…?

テレワーク向け助成金の対象は、パソコンやスマホなどのモバイル機器、テレワークに使うためのオンラインシステムなどの購入が助成の対象になります。

中小企業でテレワークをやろうとすると、まずは社員自宅用のパソコンが必要になますが、中小企業ではパソコンなどを購入する資金に乏しいので、皆こぞってこれらの助成金に応募しています。

社員の個人用のパソコンを仕事で使うことも考えられますが、情報セキュリティなど、運用がとても難しく中小企業ではなかなか難しいでしょう。

 

パソコン購入だけではテレワークはできない

しかし、パソコンを購入しただけでは、テレワークはできません。

東京都ワークスタイル変化クコンサルティング事業では、テレワークを「ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義しています。

つまり、会社のパソコンを自宅に持ち帰っただけでは、テレワークをしているとは言えないのです。

どこでも会社と同じ環境を実現していなければ、テレワークとは言えません。

 

テレワーク実施で本当に重要なことは?

テレワークは、ICTを使って、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をいいます。つまり、パソコン(タブレットも)とインターネットで、いつでもどこでも会社にいるとの同じ仕事環境を実現することです。

ただ単に、パソコンとインターネットを導入しただけでは言えず、テレワークで一番重要なことは、次の二つです。

(1)情報セキュリティ

会社の仕事を会社外で行うのですから、会社内の情報を外に漏らさない仕組みが必要です。

情報によっては、漏洩すると会社の存続に関わるようなものもありますが、そうでない情報もたくさんあります。

細かい制度を作ると面倒くさいということで、お金をかけて情報セキュリティに関するシステムを導入して全ての情報を守ろうとする傾向にあります。

しかし、情報漏洩の8割は社員のミスという統計があります。

どんなにお金をかけても、内部から社員が対応をミスすると、どんな高価なシステムでも情報漏洩を防ぐことはできません。

(2)社員の仕事の評価

会社員は、仕事の成果でお給料をもらっているので、どうしても仕事の成果を評価してもらう必要があります。

テレワークでも、従来通り仕事を評価してもらう仕組みが必要です。

富士通が本格的に実力主義の人事評価制度を1993年代に導入を開始してから、27年が経過しました。

多くの会社は、富士通に倣い、実力主義の人事評価制度を導入してきました。

しかし、テレワークになってわかったのは、実力評価主義制度といいながら、実態は、部下の努力などを目で確認しながら評価をしていたのです。

中小企業では、社員が日常どんな仕事をしているのか把握していない企業がほとんどです。

まずは、会社にどんな仕事があるのかを把握するところから人事評価は始まります。

 

テレワークを定着できない企業の特徴

残念ながら、多くの中小企業では、テレワーク導入が目的ではなく、テレワークで使うためのパソコンを購入するために助成金を申請します。

東京都のワークスタイル変革コンサルティングでは、最高5回まで無料で受けることができますが、助成金受給資格が得られる3回目を終了すると、連絡が取れなくなる企業が多くなります。

また、他の助成金をもらったからと、コンサルティングを辞退する企業も多くなっています。

無料でテレワークのための制度の導入の機会を生かすことなく、パソコンと社外で会社の仕事ができるようになるシステムを導入すれば「テレワーク完了!」という企業が多くなっています。

 

テレワークの定着化で働き方改革を目指す

テレワークは情報セキュリティや人事評価など、きちんと会社の制度とする必要があります。

そうでないと、いったん問題が発生すると、テレワークそのものを諦めてしまう中小企業が多いくなっています。

コロナ禍を機会に、テレワークという手段の活用で、働き方改革が進んでいます。

わたしは、今後、テレワークの利便性を周知しつつ、制度の定着のための支援に注力していきます。

 

 

 


~執筆者プロフィール~

加納 勉(みんなの総務部代表)
中小企業の総務部で27年間勤務。人事・防災対応・コンプライアンス・施設管理から、社内情報システム・情報セキュリティ・品質管理など、ありとあらゆる業務を、実務だけでなく仕組み構築やマネジメントを経験しました。わからないこと、困ったことは、とにかく何とかしますので、お気軽になんでもご相談ください。
趣味はアマチュア無線(電子書籍出版しました)、ジョギング、旅行。Jリーグ大宮アルディージャの熱烈サポーターです。
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