教えて!『無形資産』の築きかた VOL.3(下)

人生100年時代、貯蓄などの有形資産はもちろん、お金に換算できない、友人関係や知識、健康などの『無形資産』を今からコツコツと蓄えていきたい。そこで、『公務員』という生き方しながら、『無形資産』を蓄えている方からその秘訣を学びたい。法務省の千田早苗さんにお話を伺いました。

「教えて!『無形資産』の築きかた」VOL3(中)の続きです。

 

-カウンセリングや心理学は、いつ学ばれたのですか。

カウンセリングや心理学は被害者の方の支援を担当した時に、捜査官としての対応の仕方が分からなかったので、大学へ通い学び始めました。

 

-社会人になってから、大学に行かれたんですか。

30歳の時に、最初は倫理学を学びたくて慶応義塾大学の哲学科に進みました。少し違うと思い、転部しました。いくつかの大学を経て、今は産業能率大学で実践心理を学んでいます。メンタルケアカウンセラーやメンタル心理士などの民間カウンセリング資格を多数取得しています。

 

-「NPO法人チダラボ」を始めた経緯を教えて下さい。

本職の検察庁及び法務省で、社会全体での再犯防止や被害者支援、児童虐待防止などの刑事政策的な取組に携わってきました。再犯防止推進法や推進計画ができたので、法務省では、自治体と組んで地域社会を良くする取り組みをしています。私は、捜査機関の公安職だったので、それまでは自治体と接点がありませんでした。刑事政策的な取組から、地域社会での横の連携を意識するようになりました。

最高検察庁の在職していた時に、地方創生や街づくりを学ぶため、立教大学の21世紀社会デザイン研究科で学ぶ機会がありました。そこで、同世代の熱量のある女性たちと出会いました。その女性たちと、昨年、「NPO法人チダラボ」を立ち上げました。児童虐待や復興支援等の社会を良くしたいという想いを持っている方ばかりです。

 

-どんな活動をしているのですか。

私が長年検察庁の若手職員向けに、心理学や自己啓発,コミュニケーションの研修講師をしていたので、一般向けの朝活講座を開催しています。地方創生では、東日本大震災の被災地のソーシャルファームツーリズムを行いました。嗜癖依存者などの社会的弱者を対象とした社会調査事業を実施し、外国の刑事施設の視察も行っています。

 

NPO法人チダラボ

https://www.facebook.com/chidalabo/

 

-サードプレイスと本業のバランスはありますか。

公務員の仕事自体がいってみれば社会貢献事業なので、公務員が本業を全うすれば世の中は良くなります。サードプレイスの活動は、あくまで本業を全うするための勉強です。民間団体として、小回りの利く活動をできるメリットを最大限生かして、大学などでの研究に生かしてきました。

 

-今後について教えてください。

予定では、今年度で退職するつもりです。退職後は大学院に進みます。そのほか、メンタルケアに関するパーソナルトレーニングなどを提供する包括的な法人組織を作る予定です。生活の基盤と、本当にやりたいことは、切り離しておくのは大事だと思っています。仕事しながらダブルワークとして、「NPO法人チダラボ」を設立し、好きな調査研究や教育支援を思い切りやってきました。今後も社会貢献はしていくつもりです。

 

-次から次とやりたいことがでてきますね。

いろんなことをやりたいです。公安職として約30年勤めてきて、自分を厳しく律して生きてきました。1年くらい何もしない時間を作ってみようかなと思っています。社会学や社会心理学、法律、地域創生みたいなことを学べる大学院を受験する予定です。児童支援の一環として、養育里親にもなりたいんですよね。

 

-エネルギーが凄いですね。

実は、本職でやっていた各種支援はそれまで全く興味がなかったんです。いろいろな欲がなかったからこそ、初心から素直に取り組めて、結果的に成果をあげることができたのはないかと思います。「検察初」の事業には燃えました。前例踏襲とか好きじゃないんです。今まで自分の自由や時間が全くなかったので、辞めたら本当にやりたいことをやりたいです。

 

-公務員のこの先へ一言お願いします。

公務員はそれ自体が社会貢献事業なので、それを発展させるために「自分を良く知り、生かす」ことが大事だと思います。小さくまとまらないことが大切です。これからの時代は自分で切り開けますので、好きなことをたくさん見つけて、自分の生活を充実させてください。

 

宇宙(そら)の無形資産帳簿

キラッキラした若手公務員が集まる「よんなな会」の雰囲気に、まんなか世代の私は気後れしていました。オンライン市役所が始まり、オンラインならばと参加し、迷わず「保健室」に入りました。職場で3回ほどメンタル不調になった経験やいろんな事情を抱えた方と働く機会もありましたので。

千田さんは、「公務員の仕事自体が社会貢献事業なので、公務員が本業を全うすれば世の中は良くなる」という信念のもと、本業を全うするために真摯に学び続け、その学びを本業で実践し続けた結果、眩いばかりの「無形資産」を築かれました。

保健室で交わされる、心が癒される会話に支えられながら、千田さんや保健室のメンバーともっと早く出逢えていたらなあと思いつつ、今、こうやって出逢えたことに感謝しています。

 


〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
まんなか世代の公務員。
元気な100歳、『百寿者』を目指しています。
健康第一、85歳までは働き続けたい。
定年後、私ができる仕事はなんだろう?
人生100年時代、貯蓄などの有形資産はもちろん、お金に換算できない、友人関係や知識、健康などの『無形資産』を蓄えていきたい。
『公務員』という生き方をしながら、『無形資産』を蓄えている方にその秘訣をお聞きします。

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