まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.11(中)

「公務員=リスク」という、もやもやした不安への向き合い方を学びたい。
そのヒントを求め、元熊本県人吉市役所職員で、ストレングス・コーチの丸本昭さんにお話を伺いました。
まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒントVOL11(上)の続きです。

 

-人吉市役所に就職したのはどうしてですか。

全然まじめな思いで就職したわけではないんですよね。大学出るときにコミュニティを作りたいという思いがあったので市役所もありかなって。両親は熊本市に住んでいましたが、小学校6年から高校3年までは人吉市に住んでいたので縁がありました。

 

-福祉のお仕事もされていたのですね。

福祉で最初の担当は障がい者福祉でした。障害を持った方とどうかかわっていいかさえ、最初はわからなかったです。介護保険制度が始まる前の頃ですが、70くらいの女性が、夫が半身麻痺でベットの申請で来られたので、給付決定のため自宅を訪問しました。手すりや段差解消も必要だったので、住宅改造の申請もまとめてやりました。後にその女性が窓口に来られ、えらく感謝されました。その時にこの仕事って給料もらいながら人に役立つ仕事ができるんだって思いました。公務員ってこういう仕事なんだって実感しました。そのあと異動した人事で、30代の職員のキャリア形成研修を始めました。せっかく仕事をするならやりがいをもって仕事をしてもらいたいと思ったからです。まさにそう思ったベースの体験ですね。

 

-行政改革の仕事もされていますよね。

福祉の次に行政改革の仕事をしました。第3次行革大綱を作ることになりました。それまでの行革っていわゆる予算や事業を削るケチケチ運動でした。そうではなく、経営の視点で考えたいと思い、上山信一さんが主催する「行政経営フォーラム」の勉強会に参加しました。役所の外に出たのはその時が最初でした。最初の段階から関係者の意見を聞いて、人を巻き込みながら仕事をするという、その時の仕事のやり方があとあとの仕事のベースになりました。16人ぐらいの係長から若手の職員でゼロから行革プランを作りました。最終的に職員の1割くらいに参加してもらいました。途中の過程を職員に周知するために、「行革かわら版」で途中のプロセスも公開しながら作りました。その後もいろんな計画もたくさん作りましたが、すべて同じように人を巻き込むプロセスを大事にしましたね。

 

-独立するのに役立った公務員で培った能力ってありますか。

公務員って、地域の中で一番仕事できるんじゃないかなと思うんです。イベントでもテキパキ考えながら動けますし、事務仕事もきちっとできます。その地力は大きいかなと。地力の部分をいろんな場面で使うことができるのではないかと思うんです。最近、独立したとか、独立したいという公務員とやたら会うんですよね。民間の人って転職ってよくある話です。公務員も外に対して目を向くようになったのかなと。はっきり言って、それなりのスキルとか、ネットワークがないと、役所辞めてすぐには稼げないですよね。

 

-そうですね。

独立して思うのは、いかに自分の時間が収益に繋がるような働き方をするのかを考えないといけないということです。役所的な考え方で1日を使っても収益には繋がらないです。それだけ準備も必要だし、スキルやネットワークもあらかじめ準備していないと。役所には優秀な人が多いので、準備をしっかりすればできるのではないのかな。特技を持っている人も多いので、それを活かすのはいいのかな。反面思うのは、辞めた私が言うのもなんですが、みんながみんな役所を辞める必要はないと思っているんですよね。役所にいるからこそ出来ることが、山ほどあるじゃないですか。やっぱり一番は「信用」なんですよね。まずは話を聞いてくれるので、信頼関係に時間をかけずに、すぐにやれることがあるんですよね。公務員としてやりたいことをやっていくのもいいんじゃないかな。

 

-どのようなコーチを目指されていますか。

人材育成をやろうと思って、評価制度や研修制度のプログラムを作って、これからという時に市長が交代して異動することになりました。その自分が一番きつかった時に、自分を信じて応援してくれたコーチのようになりたいですね。

 

下編に続く

 


〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
平日は、パッとしない公務員。土日は、「人生100年時代」の旅人。元気な100歳、『百寿者』を目指しています。まずは、健康第一。85歳までは、ほそぼそ働き続けたい。定年後、私ができる仕事は?人生100年時代、公務員の2大リスク「定年制」と「副業禁止」。その壁は壊さずに、なんとかよじ登ってみたい。登った先に、どんな景色が見えるのか?私の知らない景色を見ている、憧れの人生のセンパイたちを訪ねます。
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