まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.11(上)

「公務員=リスク」という、もやもやした不安への向き合い方を学びたい。
そのヒントを求め、丸本さんにお話を伺います。

「ストレングスファインダー®」ってご存じですか。「ストレングスファインダー」とは、アメリカのコンサルティング会社のギャラップ社が開発した自己診断ツールで、自分の強みや自分の活かし方などを知ることができます。利用者は世界で2300万人以上と言われています。
熊本県人吉市役所に約30年勤め、「ストレングス・コーチ」として起業したオン・ストレングス代表丸本昭さん。音声配信「自分と歩く散歩道」で、心がすっと落ち着く、艶やかな声を先に聴いていたこともあり、緊張しながらのインタビューとなりました。

オン・ストレングス
https://onstrengths.com/

ストレングス・インサイト
丸本さんインタビュー“This is My Life !”で役所を元気に!人々の人生を元気に!
https://strengths-insight.com/interview/akira-marumoto/

 

丸本昭さんプロフィール
熊本県人吉市役所で29年、自治体職員として組織マネジメントや人材育成、福祉の現場で業務にあたり、全職員参加による
人材育成型人事評価制度の構築や、職員研修、行政改革に従事。福祉保健分野では、児童虐待、DV対応といった相談・保護
業務や市民を巻き込む計画作りを行う。2007年からコーチング、ファシリテーションを学び始め、2014年ストレングス・コーチの
資格取得。強みを活かしたコーチングを得意とする。「人が育ち、職場が変わる研修」を念頭にコーチングとファシリテーション
技術を駆使した研修手法によって、「問い」により受講者の学びを深め、「対話」により参加者同士のお互いの叡智を生み出す
研修を行っている。コーチングでは、自治体職員、市議会議員、教職員、福祉法人事務長、看護師長、薬剤師、企業マネー
ジャー、NPO代表、大学生、高校生の目標達成をサポートしている。

 

-今、どんなお仕事をされていますか。

研修の講師とプロのコーチです。研修の講師は、主に自治体や福祉施設などの公的機関の管理職の部下育成や組織マネジメントを扱ったり、新人の教育係であるメンターの研修をしています。人を育て、組織でいかに協力していくのかということをやっています。 ホワイトボード・ミーティング®などファシリテーションもしています。お声をいただくのは公共関係が多いです。私が自治体職員をしていたので、行政のこともわかっているし、職員に伝わりやすいと言われています。研修先は九州が中心ですが、関東・関西に行ったこともあります。今年度は東北で行う予定もあります。また、オンラインでのコーチもしています。

 

-2018年3月、54歳で退職して起業。今年度で3年目を迎えられましたが。

1年目は自分にどんな声がかかるのかなっていうのを特段の戦略もなくやってみました。やってみたところ、やっぱり行政関係かなと。2年目は自治体のマネジメントが中心でした。ひとつの形が出来つつあるのかなって感じです。

 

-起業して何が変わりましたか。

一番感じるのは良いことも悪いことも、全部自分の責任であるということ。私からすると、それはストレスではない。やったらやった分が返ってくる。組織の中で働いていると、やった分がそのまま返ってこなかったり、ちゃんとやっているのに、上の判断でやれなかったり。まあ、いろいろありますので。全部自分で責任を取れるのが一番です。

 

-今の仕事に繋がった公務員での経験を教えてください。

人材育成に関わったのは2003年からです。人事担当に異動して、最初に新採職員の研修を担当しました。人吉市役所では、新採の研修を自前でやっていました。最初の3日間は合宿研修、その後、月1回の研修を1年間行います。合宿はキャンプ場のロッジで、新採職員と夜遅くまで話し込んだりもしますね。研修をやっていると、市役所に入庁した職員が成長していくのを間近かで見ることができ、その成長に自分が関わっていく楽しさを感じます。それが人材育成の魅力に気づいたスタートになりました。

 

-公務員として働きながら、コーチングなどいくつかの資格を取得したのはなぜですか。

2005年に人材育成型人事評価制度を作りました。課長が知らない間にこっそり点数をつけて人事に提出する「勤務評定」は、評価項目も分からず、給与への反映もフィードバックもなく、なんとなく気分が悪い感じがすると以前から不満に思っていました。せっかくなら人材育成に使えるものにしたいと考えました。当時、大阪府岸和田市の小堀さんが人材育成型人事評価制度を立ち上げていた時期でした。役所も人事評価を導入すべきという話が出始め、先進事例として、処遇反映型の愛知県豊田市と人材育成型の岸和田市がありました。当初、私も処遇反映型と思っていたのですが、いろいろ勉強していくうちにそれではうまくいかないだろうと感じ、人材育成型人事評価制度を導入しました。評価項目から、全職員にプロセスを公開しながら作りました。評価制度ができて一番大事なのは、最後の評価結果を伝えるときに管理職がちゃんとコーチング的な関わり方ができるかなんです。出来ているところはちゃんと褒めないといけないし、出来てないところは注意するだけではなくて、自分がどう能力開発に関わってくのかお互いに話していくことが大切です。

 

-そのためにどうされたのですか。

管理職にもコーチングスキルを身につけるために予算要求して管理職研修をしようとしたのですが、予算がつかなかったので自分でやることにしました。コーチングは、コーチAでコーチ資格の勉強をしました。受講料が55万円もしてだいぶためらったのですが、妻に背中を押され、清水の舞台から飛び降りるつもりで申し込みました。お金は出してくれなかったんですけど。人前で話すにはファシリテーション技術がいるので、日本ファシリテーション協会でファシリテーションを学びました。2007年にコーチングを始めて、やっている中で自分の扱うテーマが強みを生かすことが多かったんです。ストレングスファインダーはアメリカのギャラップ社が作っている、人の強みのもとを教えてくれるアセスメントです。それを使ったコーチングがあると、私のコーチから教えてもらったんです。アメリカのギャラップに1週間行って資格を取得しました。

 

中編に続く

 


〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
平日は、パッとしない公務員。土日は、「人生100年時代」の旅人。元気な100歳、『百寿者』を目指しています。まずは、健康第一。85歳までは、ほそぼそ働き続けたい。定年後、私ができる仕事は?人生100年時代、公務員の2大リスク「定年制」と「副業禁止」。その壁は壊さずに、なんとかよじ登ってみたい。登った先に、どんな景色が見えるのか?私の知らない景色を見ている、憧れの人生のセンパイたちを訪ねます。
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