知りたい:新型コロナ対策「在宅勤務」でオンライン会議ツール普及・改善すすむ

知りたい:新型コロナ対策「在宅勤務」でオンライン会議ツール普及・改善すすむ

(イラスト:秋本創さん)

毎日感染者数が増え、医療機関はあっという間にキャパシティオーバー、「#自粛と補償はセット」と思いきやマスク2枚・・・怒っていいのか笑うところなのか、と入力したら変換候補が「笑うとコロナのか」と出た。いま私たちの生活はウイルス対策で右往左往の有り様だ。その一環「テレワーク」で注目度が急上昇しているオンライン会議ツールとは。(古川晶子


感染症対策には「外出自粛」つまり不特定多数の人と接触しないことがいちばんだ。しかし現在の日本の都市部ではこれは不可能に近い。「自分ひきこもりなんで出かけないっす」と言っている人もたいていは勤め人で、混雑した電車・バスを日々、利用している。今回の対策ではそのリスクを重視した「テレワーク}推奨により、これまで、会社で暮らしているのでは、と疑うほど長時間職場にいた人々が、平日の日中に自宅にいるという現象が起きている。これまで、取り入れようとしてもなかなか進まないという声が多かったから驚きだ。

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「テレワーク」は上司や同僚などと直に会えないので、意思決定や意見交換など、これまで顔をあわせて行ってきたものをどうするか、という問題が出てくる。それに対応できるのがオンライン会議という方法だ。その前身の「テレビ会議」は、1980年代からバブル期にかけて、主に大手企業に導入されていたが、専用の機器を備える必要があり、個人には手が届かなかった。その後パソコンとインターネットの普及によって、個人単位で参加できるオンライン会議ツールが登場したが、職場のデスクからの参加が前提だった。それが、今回の「外出自粛」で多くの職場でテレワークが始まり、状況ががらりと変わった。自宅からのオンライン会議を経験する人が増えることで、「あたりまえ」とされる働き方の選択肢が増えた。毎日むりに出社しなくてもいい、という組織が増えていくことを期待する。

そしてオンライン会議ツールの進歩は著しい。いまや個人がスマホで無料ツールを入手して使えるので、開始のハードルがどんどん下がっている。企業だけでなく、個人の事業や市民活動など、利用の領域は幅広い。では、どのツールがおすすめなのか。

市民活動グループやシニアのIT活用事情に詳しい秋本創氏さん(埼玉情報センター)は「オンライン会議そのものは、LINEのビデオ通話やFacebookのMessengerなど、SNSを活用しても始められます。ただ、専用ツールはやはり利点があります」という。最近、利用者が急増している「Zoom」のことだ。

「Zoomは使いやすさと画質や音質の安定性が魅力です。背景を変更する機能で楽しんでいる人もいますね。そして録画ができるので、教材やトーク番組のようなコンテンツ作成には非常に便利です」(秋本さん)

たしかに、運営会社の本国アメリカでは、学校のオンライン授業に活用されているという。いま日本のNPOなどでもオンラインイベントに活用するところが増えているようだ。また「外出自粛」の影響か、お茶会や飲み会をオンラインで、という情報をよく目にする。

オンライン会議ツールは「Zoom」のほかに「Hungout」「Webex」などがある。また「LINE」「Messenger」などSNSで複数参加できるビデオ通話の機能を持つものもある。利用の目的はなにか、参加者が使い慣れているものはどれか、などを考えて選べる環境だ。また、いくつかを並行して使うのもいいかもしれない。メンバーのツールとのなじみ度合いで発言の量やスピードが左右されるのをカバーできる。秋本さんも「私個人は別にLINEでもMessengerでもいいと思ってます。そもそもZoomの部屋をお知らせするのにLINEやMessenger使ってますしね」という。また、「Zoom」を使って作ったコンテンツを配信するのは「YouTube」経由だそうだ。

「Zoom」は利用者が急増するのと同時にサイバー攻撃を受けるようになり、脆弱性が露呈する事例が続発したという。この点を、ちょうど「昨日使った」という秋本さんに確認したところ「ホストがOKしなければ入れないようになってましたよ。もしかしたら設定によるのかもしれないですが、脆弱と言われたらすぐ改善してきたなって思いました」とのことだった。

かつて「ウェブ2.0」という言葉で表現されたように、ITの発達においては企業と顧客の関係は双方向だ。ユーザーが声を発すればそれが製品やサービスの形になって返ってくるし、その仕組みが機能しないビジネスは衰退するという認識が共有されている。声を受け止め、失敗を活かすその姿勢、ぜひ誰かに見習ってほしいものだ。

Zoom
Hungout
Webex
LINE
Messenger