まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.8(下)

まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.8(上)の続きです。
上編はこちら

-活動で意識されているってことありますか。
「子どもたちに将来の希望と生きる力を与えられるような『善意』の社会」、「家族・友人・地域の絆で結ばれる『緩やか』で『自主的』なコミュニティ」を作れたらと思っています。ちょっと大きな目標なのですが、特に「善意」というものを大切なキーワードにして活動をしています。

-「善意」ですか?そのために、運営で工夫していることはありますか。
「善意」や「緩やか」、「自主的」というキーワードを踏まえて、「やりたい人がやりたいことをやりたい時」をコンセプトにしています。ダンボールスモークや七夕、ハロウィンなどはメンバーがやりたい!というのを実現化したものです。「ホスト・ゲストでないフラットな関係」も意識しています。最初のやきいも会は、開始前の準備を私と妻、仲間の何人かでしたところ、「ホスト・ゲスト」の関係が生じました。参加者が「やきいもはまだですか?」的なお客様感がありました。2回目以降は、準備から参加者全体で一緒にすることにしたところ、一体感が生まれフラットな関係を築くことができました。「全員が一員」という雰囲気作りが居心地の良い空間を作ることを学びました。特に男性は役割を作ることが大事で、作業を通して距離が縮まりますね。

-運営方法が具体的でとても参考になります。そのほか工夫していることはありますか。
「組織化・プロ化しない」、「善意が入れる余白を残す」ということも大事にしています。企画、運営する側が全てきっちり作りこみますと「ホスト・ゲスト」の関係が生まれます。むしろ少し足りてない状態を意識して活動すると、そこに手を貸してくれる「善意」が入る余地ができます。「善意」を下さった方は一員としての主体感を感じているようです。ボランティアで特技を活かしてくれたり、自分の家にあるものを貸してくれたりします。「善意」を大事にすることで繋がりや交流が深まると考えています。

-どのような組織で運営されているのですか。
特に組織化していません。代表とかは作らず、出入り自由なチームの形をとっています。会費もなく、興味関心のあるイベントに参加してもらうというスタンスです。「囲いを作らない」、「お互いのフィールドを共有する」という思いは、「オープンフィールド」という名に込めています。活動を継続していくため、負担感やコストは低く、満足度や自己肯定感は高く感じてもらえるよう、自主・分担方式の参加費型で活動しています。組織化せず、緩やかで強制力がないので、イベントは魅力があるように工夫しています。また、主体的な関わりを持ってもらえるように意識しています。

-今後、どんなチャレンジをしていきたいですか。
地域活動はある程度、組織化していかないと持続は難しいと思われていますよね。私たちのような「緩やか」で「自主的」な活動で、どこまで持続できるのか、チャレンジだと思っています。まだ始まったばかりですので、今はどちらかというと遊びや趣味など、楽しく魅力があるイベントを中心に企画しています。今後は、人の繋がりやコラボレーションの中で地域や社会で必要とされる地域課題に対して、自分たちができる活動が新たに生まれたら嬉しいです。

-公務員のこの先へ一言お願いします。
これまでもですが、これからはますます公務員本位では仕事ができません。役所の建物の中で待っているだけでは地域の課題や繋がりは見えてきませんし。私がやっているような地域活動だけではなく、スポーツクラブやPTAなどいろんな活動を通じて、地域の人と繋がったりすることで、課題を肌で感じることが大事になってくるのではないでしょうか。とはいえ、役所の制度で決めて一律に無理にやるものではないと思います。地域活動に限らず趣味での繋がりでも、人それぞれの状況で無理することなく、拠点となるような人との繋がりがその人なりにできればいいのではないかなぁと思います。

〜 宇宙(そら)の旅日記 〜
大学は国際関係学部の岡本さん。実は、たまたまその学部に入学されたそう。大学時代に韓国へ1年間留学して、多様な生き方や考え方と出逢ったことが岡本さんのターニングポイントだったようです。トークイベントの会場でもある魅力的な古民家は、初めは夫婦で訪ね、意気投合したことで企画が始まったそう。夫婦一緒にイベントを準備し、娘さんたちもイベントの受付を手伝ったりするなど、家族みんなで楽しみながら活動されています。それが、岡本さんが自然体で活動している秘訣のように思います。岡本さんは「自分は目立ちたくない」とパワーのある先輩・同僚の力を借りて市役所内で自主研究会立ち上げています。また、オープンフィールドキッズはあくまで代表はいないと“みんな”の力を強調します。そんな控えめで誠実な物腰で、柔らかな語り口の岡本さんは、市役所でも、地域でも「ハブ」の役割を果たしているように思います。岡本さんのさりげなく、人の力を引き出す能力は、まさにこれからのリーダー像ですね。


上木宇宙〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
平日は、パッとしない公務員。土日は、「人生100年時代」の旅人。元気な100歳、『百寿者』を目指しています。まずは、健康第一。85歳までは、ほそぼそ働き続けたい。定年後、私ができる仕事は?人生100年時代、公務員の2大リスク「定年制」と「副業禁止」。その壁は壊さずに、なんとかよじ登ってみたい。登った先に、どんな景色が見えるのか?私の知らない景色を見ている、憧れの人生のセンパイたちを訪ねます。
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