まんなか世代の公務員が探す『この先』のヒント Vol.7

さいたま市南区鹿手袋にある「ヘルシーカフェのら」 の名物イベント「車座おしゃべりカフェ」に参加しました。車座おしゃべりカフェでは月1回土曜日の夕方、ゲストと3時間たっぷりおしゃべりします。

今回のゲストはまんなか世代どまんなかの40代半ばで県職員を退職し、市議会議員に転身した桜井卓さん。

桜井卓さんのプロフィール
北本市議会議議員
1995年埼玉県庁入庁。県立高校の学校事務、財政課、税務課、資源循環課、県税事務所などを経験。
食品ロス削減の担当の時にフードバンクによるホームレスへの炊き出しのポランディア活動を通じて貧困
問題に目覚める。貧困問題解決のためには、社会保障の拡充と財源の確保が不可欠と考え、埼玉県庁内
で税財政の職員に呼びかけて税と社会保障を考えるオプサイトミーティングを仕掛ける。
北本市民として子どもが通う保護者会運営の学童で会長を務め、市全体の学童の連合会でも中心的役割
を務めた。自治会の副会長も経験。

 

◯なぜ、県職員を辞めて市議会議員になったのか。
◯退職からわずか3週間で、選挙戦をいかに戦ったのか。
◯市議会議員って自治体職員の仕事と比べてどんな感じなんだろう。

そんなモヤモヤを解消すべく、いざ、ヘルシーカフェのらへ。

-市議会議員を目指したのは。
「このまま県職員を続けられるのか」、「北本市はこのままで大丈夫だろうか」、という2つの思いが重なったからです。

税の業務経験が長く、最後の職場は税金の滞納整理でした。生活上の困難を抱えているからこそ、税金を滞納されている方が当然います。税金を滞納している一人ひとりの状況に応じて生活を成り立たせながら税金を頂きたい。しかし、丁寧さよりもスピードが優先され、自分が考えるような仕事ができず、 県職員として働き続ける自信をなくしました。

地域では保護者会運営の学童の会長として、任意団体から NPO 法人へ移行や大規模学童の分割、指定管理者の導入をめぐって、市民の立場で市と交渉しました。市議会議員との繋がりができ、議員の仕事が見えるようになります。学童以外の市の取り組みを知るうちに、子どもたちがこの街でこのまま幸せに暮らしていけるのか、少しでも街を良くしていきたい、との思いを抱くようになりました。

-出馬にあたって周囲の反応は。
「どうやって奥さん説得したの?」、「奥さんよく許してくれたね。」という質問は多かったです。県職員を続けることもノーリスクではないことと、収入面では今までと変わらないことをしっかりとプレゼンして、妻に理解してもらえました。当選するかどうかは正直分からなかったのですが、「大丈夫」と言いきりましたね。

-選挙選はどのように戦いましたか。
退職したのは選挙の告示の2週間前の3月31日。
最後の日まで県職員としての仕事をしつつ、家族のために絶対負けられない戦いのため、綿密に戦略を練りました。
◯選挙カーは借りられず、人手もノウハウもなかったので、逆に「選挙カーを使わない」ことを売りにして、自転車でくまなく市内を回る
◯他の候補者のいない始発から、駅で辻立ちして北本都民にアピール
◯ホームページやSNS で自分の思いを届ける

-議員になっていかがですか。
短期決戦で当選し、市議会議員になって半年が過ぎました。北本市議会は、年4回の議会ごとに議長を除く全議員が一般質問をします。現状や課題は事前にしっかり調べ、問題点の追及よりも課題の解決を促すような質問をしています。市民から寄せられる様々な声をストックして毎議会に備えています。
議会での質問や市の課題に対する自分の考えは、ホームページや通信を使ったきめ細かい発信を心がけています。これまで市政に関心のなかった市民や若い人たちにも政治に関心を持ってもらいたいです。票を奪いあうのではなく、 これまで選挙に行かなかった方々に投票してもらえるようにしていきたいです 。

(宇宙(そら)の旅日記)
「北本市の職員として働けるならそれもありだったんだけどなあ。」と最後にポツンと呟かれました。自治体が課長クラスを外部人材から公募で登用したり、 自治体職員が他の自治体でも兼務できるようになれば、公務員を辞めずに力を発揮される方もいるのではないでしょうか。桜井さんだけでなく、最近30、40代で公務員を辞めた方々の話を聞くと、そんな仕組みが必要ではないかと思わずにいられません。

会場には桜井さんのほかに、埼玉県内の市議会議員がおふたり参加されていました。去年4月の統一地方選挙で当選されたばかりの新人議員さんで、それぞれ立場や時期は違えどみな元公務員でした。 党派や地域を越えて、元公務員の議員ネットワークとかも面白そう、なんて思いましたが、まぁ、政治ってそんな世界じゃないでしょうね。

 


上木宇宙〜執筆者プロフィール〜
上木 宇宙(うえき そら)
平日は、パッとしない公務員。土日は、「人生100年時代」の旅人。元気な100歳、『百寿者』を目指しています。まずは、健康第一。85歳までは、ほそぼそ働き続けたい。定年後、私ができる仕事は?人生100年時代、公務員の2大リスク「定年制」と「副業禁止」。その壁は壊さずに、なんとかよじ登ってみたい。登った先に、どんな景色が見えるのか?私の知らない景色を見ている、憧れの人生のセンパイたちを訪ねます。
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