知りたい:成りたい人になる日「LGBT成人式」

知りたい:成りたい人になる日「LGBT成人式」

「LGBT成人式」というイベントがある。「成りたい人になる」というテーマで、二十歳でなくても、LGBT当事者でなくても参加できるという。どんなイベントなのだろうか。埼玉でLGBT成人式「虹色の式典2020」実行委員会の代表をつとめる割澤毅峰さんに聞いた。(古川晶子)


一般的な成人式は大人になる節目を表す式典だ。現代の日本社会では、儀式で何かが変わるという感覚はあまり共有されていない気もするが、それなりに大切な日ではある。しかし、いろいろな事情で参加できない人がいることは見逃されている。その事情のひとつが「多様な性」の当事者であるということだ。

「自分が何者か」について悩む、人に言えない思いを抱える、というのはつらいもので、なかでも性にかかわることは、的確な情報や相談相手の少なさもあいまって重さを増す。割澤さんは「子どもの頃から、20代になっても、誰にも言えませんでした」という。30代に入って、生き方をあらためて考え、少しずつカミングアウトを始めていた頃、「虹色の式典」の情報をみつけ、思いきって出かけてみたのが3年前。そこで衝撃的な出会いがあったという。

「LGBT成人式」の中心となるのは、参加者のスピーチだ。「自分がどんな人間で、これまでどんな風に生きてきて、これからどうしたいか」をステージに上がって、数百人の前で語る。同性を好きになること、身体の性別への違和感、就職をはじめとする社会の壁、家族との葛藤なども含めて、自分のこれまでとこれからを、自分の言葉で表す場だ。そのリアリティに触れて、「ここで何かしたい」と思うようになり、実行委員に加わった。

「会って話して行動すると、次の扉が開くし、自分自身も変われます」と割澤さんは言う。現在は西東京のLGBTの活動でも代表をつとめている。活動の場が増え、いろいろな人に出会い、「世界が広がって、これまではなかったつながりが生まれて、とにかく楽しい」日々だ。

割澤さんが語る、つながりや広がりを受け入れ、楽しむ寛容性は、「虹色の式典」のテーマ「成りたい人になる」にも通じる。「多様な性」にかかわることでなくても、自分について語り、一人ひとりをたたえる場をつくることに賛同する人なら、誰でも歓迎。現在は実行委員18名で企画を詰めているところで、トークゲストほか楽しい企画を多数準備中とのことだ。音楽や演劇なども盛りだくさんで、アートを楽しめる場にもなりそうだ。

次回の「虹色の式典」は2020年1月25日の午後に、ウェスタ川越(川越市)で開催される。午前中には有志によるパレードも計画していて、こちらも誰でも参加できることのこと。協賛企業やボランティアスタッフも絶賛募集中。「成りたい人になる」場を、あたたかい人たちと一緒につくるチャンスだ。


虹色の式典2020/1/25@川越 (公式Twitterアカウント)

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