えんどう豆日記20180621:「生涯学習としてのキャリア教育」基礎資料プレゼン2

SCE理事の遠藤です。
昨日に続きえんどう豆日記です。
同じく理事の難波の、調査研究「生涯学習としてのキャリア教育」の基礎資料プレゼンを聞きました。

主な内容は、代表理事の古川が、毎年東京しごとセンターで講師を務めている「中小企業サポート人材プログラム」(←年齢55歳以上で仕事をお探しの方、大手・中堅企業等においてマネジメント歴が5年以上ある方に向けてのプログラム)の見学レポートです。

プレゼンをグラフィックでまとめる修行中

このプログラムに参加される方たちは、いわゆるエリートの方たちです。大手企業でいろいろな問題を乗り越え頑張ってきた方たちです。でも、講座の中で参加者の特性を見ると、「自分のことを自分なりに評価することが苦手な方が多い」という印象で、なぜそうなるのか?疑問に思ったそうです。再就職での自己アピールの肝となる事柄なのに・・・?

参考図書として、濱口桂一郎著『日本の雇用と中高年』の紹介がありました。
それによれば、日本の働き方に対するシステムが、中高年の仕事に対する姿勢に影響しているようでした。

明治時代の「渡り職人」の働き方に表れる「ジョブ型システム」社会から、終戦後、一気に企業が主体となる「メンバーシップ型労働」社会に移行しました。企業に入れば、家族の扶養・昇給・終身雇用など社会保障が充実し生活が安定するというものです。企業にとっては社員囲い込みができます。個人にとっては、大企業に入りさえすれば生活について安心できるわけです。「大企業への就職こそが幸せ」と、日本全体の価値観ががらりと変わります。

企業側は「長く働いてほしい。生活保障をする代わりに与えられた仕事をしてくれさえいればいい。」そして「言う事を聞かなければリストラするぞ」と脅せる。社員は安心していたいから「会社に居続けること。リストラされないようにすること」を優先する思考になります。それは、自分よりも会社を優先にする思考です。

そして、子どもにも「大企業を目指しなさい。いい企業に入るには、いい大学に入りなさい。勉強しなさい」となる。大企業の社員は安心を約束されているように思えるから、親はそんな風に思うのかもしれません。子どもに苦労させたくないし、幸せになって欲しいから。

そんな風にしていつの間にか、「いい企業に入社し働くことこそがが幸せ」な人生になってしまう。でも、その会社を辞めた途端に「その会社に勤めていない自分」と向き合う時がやって来る。

・・・プログラムのご参加者はそんな背景をお持ちのようでした。

会社を辞めたら自分は何もなくなったと思うのでしょうか?一生懸命に働いてきたほど、喪失感はすごいでしょうね。ゼロになったのでしょうか?でも、ゼロになるとやっと見えるかもしれません。ゼロのようでゼロではないことに。

その場所で得た経験、そこで頑張った自分、乗り越えた自分。そして生きてきた時間などなど、自分自身が生きてきたことを誇りに思えたら、きっとそこから新しく始まるのだと思います。それこそが、「キャリア」の活かし方なのかもしれない。その人の人生を豊かに膨らませる学びが「生涯学習としてのキャリア教育」で、だからこそ世の中に必要なのです。

<遠藤ひろみプロフィール>
埼玉県飯能市出身、さいたま市在住。イラストやグラフィックデザインなどの業務経験を経て、2013年よりイラスト表現とアロマテラピー等を複合した独自の手法で「がんばりすぎ」な女性に「心のスッキリ体験」を提供する。
イラスト・デザイン『はたらくらぶインタビュー集2012-2017 それぞれの「自分らしさ」を形にする営み』(プラスワン・パブリッシング)ほか多数